Excelで業務を効率化しよう:勤務表を作る(勤務時間数の計算)

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今度の業務効率化は「勤務時間数計算」が題材

前回は、身近なITツールである「Excel」を使用して「年次有給休暇管理」を実現するためのサンプルブックやマニュアルの提供、内容の解説などを行いました。いかがでしたか?

大企業や歴史の長い企業は既存の労務関連規定を直ちに変更するということは難しく、ITシステムを導入して諸々管理することが適してるのですが、スタートアップ期の企業などは、急成長する事業に合わせて働き方の定義も頻繁に見直さなければならず、Excelのような「自分たちで簡単に修正・調整できる」かつ「自由度が高く、高度な機能を持つ」道具が、思った以上に有り難かったりします。私自身も、「こんなの、もしプログラミングして作ったら、相当の時間がかかるだろうな」と思いながら、労務管理、コストの予実管理、業績目標の達成度管理、生産性指標の計測などをExcelで実施することも多く、随分とこの道具のメリットを享受しています。

さて、今回は、Excelが活躍できそうなさまざまな社内業務の中から「勤務時間数」計算も採り上げて紹介します。今回もExcelブックをご提供しますが、あくまで「学習題材」として無料提供するものであり、社会保険労務士の方の監修・確認を受けたものではありません。ご利用にあたっては、その点、ご了承ください。

ただ、私自身、企業で労務管理を行っていたこと、労務管理に関するITシステムの開発に長らく携わっていたことなどの背景があり、ある程度、法令等や実務の知識を前提にした内容であることはお伝えしておきます。

今回のご提供内容

「勤務時間数計算」Excelブック

計算項目について

実働時間数 、早出時間数 、超過時間数、深夜勤務時間数、休日勤務時間数、遅刻時間数、早退時間数、総労働時間数など、一般的に計算するような項目は計算項目に含めています。また、割増賃金支払いの対象となるか否かの違いが発生するため、超過時間について「所定超過分」と「法定超過分」を分けて計算するなどの工夫を含めています。

ちなみに、「1日8時間を超えたら割増賃金」については多くの方がイメージされていると思います。しかし、「1週40時間を超えたら割増賃金」という部分は、経営者の方でも認識が薄い方もあるようですし(振替休日を与えれば、割増賃金は発生しないとお考えだったり)、個々企業の労務規程に合わせて作成するものではないため、今回は「なるべく」法令に沿った計算としています。

「勤務時間数計算」Excelブック

労働時間について

次のような、いわゆる「変形労働時間制」には対応していません。

  • 1箇月単位の変形労働時間制(労働基準法32条の2)
  • フレックスタイム制(同法32条の3)
  • 1年単位の変形労働時間制(同法32条の4)
  • 1週間単位の変形労働時間制(同法32条の5第1項など)

例えば、「フレックスタイム制」なんて、各日、労働者が定めた時間帯を「所定労働時間」とみなして計算すれば簡単じゃない?と思われるかもしれませんが、清算期間、コアタイム、フレキシブルタイムなど、きちんとしたフレックスタイム制に対応するのはなかなか大変で、このシリーズの目的である「学習課題として活用いただく」域を超えてしまうので、対応を見送りました。

清算期間における法定労働時間の総枠

清算期間における法定労働時間の総枠
 =1週間の法定労働時間(原則40時間)×(清算期間の日数÷7)

上記の原則に加え、「1週間の所定労働日数が5日の労働者」については、(労使協定により)上記とは異なる計算式が認められていますし、「労務ITスペシャリスト」みたいな資格があってもいいのに・・・と思うくらい、労務制度は複雑です。

使い方の説明を添えました。

「使い方」説明

「使い方」シートを用意して、どのような使い方を想定したか、どのような計算を行っているか、読んで分かるように説明を添えました。「シート名と記録対象年月を連動」させたり、「所定休日などを色分け(書式設定)」したりなど、皆さんがこのような資料を作成する時に「こうしたい」と思うかなといういろいろを設定してあります。

勤務時間の計算方法だけでなく、数式の使い方や書式の設定方法サンプルとしてご活用いただくのも大歓迎。

スキルアップしたい人をサポートすること、作業を効率化することで生産性を向上させたい企業をサポートすること、微々たるものかもしれませんが、こういうことも社会貢献の一端にはなるかなと考えており、このような情報提供を続けています(続けていきます)。すべてお応えできるかは分かりませんが、リクエストがあればお知らせください。

Excelブックのダウンロード


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