似たような作業・・・ 同じ「時間」をかけていませんか?
「似たような作業」ってなんだろう。
お仕事をしていると、「あれ?この作業ってまえもやった気がする」なんてことは多々あるものだと思います。日々の売上データを確認する、先月と今月で客数単価を比較する、前年度の数字から増加率を算出する、等々。
ルーティンワークと呼ばれるような同じ作業ではないにしろ、似たような作業というのは往々にしてあるものです。


「繰り返す」「積み重ねる」のは、大事な仕事
様々なデータ同士を組み合わせた資料、複数の数字を扱うクロス集計、比較して増減率を算出して、あとは他ツールからのアウトプットデータをさらに集計・・・。数字やデータはその時その時で大きな意味があるものは存外少なくて、積み重なって重みが出てきたときに、大きな意味が出てくるものです。

うんうん。そうですよね。その「大きな意味」を見逃さないためにしているとはいえ、何度もやったことのある似たような作業を同じ時間かけて苦労して作成する必要は、ないですよね?
小技その① クリア機能
エクセル資料の使えそうなところ「だけ」再利用したい。
月末って、忙しいですよね。
・先月の売上表と同じフォーマットで比較しておいてほしい!
・ ピックアップ商品の伸び率はどうだった?
も~、勘弁・・・
自動化しているエクセル資料になら、ぱぱぱーっと数字を打ち込むだけですぐ出てきますが、今月の結果だけ知りたいときだってよくあります。会社の資産として、作成してきた資料のなかで使えそうなところを見つけて、応用するのはもちろんですが、そっくりそのまま同じものを使えるかというと、これが案外少ないんですよね。そこで・・・。
書式だけクリアしたい
まずはクリア機能の説明から。 「ホームタブ > 編集」のなかに消しゴムアイコンがあります。これが「クリア機能」です。例えば、先月と今月を比較するうえで、先月データは表ではなく増加率を算出する程度の「値」だけが必要なときやエクセルファイル内で参照のみ行う「データ」的な扱いのシートに細かな書式が設定されていたりすると、ファイル容量自体が重く遅くなります。いわゆる「部分的な情報だけ削除したい」ときに、クリア機能の出番となります。


すべてクリアしたい
多くのメンバーが共同で作成できるエクセルは、ある程度ルールを徹底させないと、とても自由に作成できます。それが必ずしも悪いことではないし、セルが結合されているおかげで見栄えが良くなることだって多いです。ですが、しかし、です。一つのシート内に複数の表があって真ん中の表だけを置き換えたいのだけれど・・・。
- 行数も列数も異なるし、削除だと、下の表や隣の表が崩れてしまう。
- 行削除や列削除をしたいけれど、そうすると削除すべきではない情報も消されてしまう。
- 参照されているセルを残しておかないと、他セルの数式がエラー(#REF)になってしまう。
う~ん・・・
特定の箇所のみを何もかもきれいにしたい。そういうときは「すべてクリア」が便利ですよ。

小技その② 行列入替貼り付け
他ツールからのアウトプットデータ。タテとヨコが逆ならいいのに・・
集計作業をしているうえで頼りになるのが、他のツールからのアウトプットデータ。すでにきちんと表にまとめられていてとても便利です。でも、集計処理をするうえで、行と列が逆のほうがより良い資料になるのにな、と思ったことあるのではないでしょうか。

「形式を選択して貼り付け」で行と列を入れ替える
コピーして貼り付ける際に右クリックをして、「貼り付けのオプション」から「行/列の入れ替え」をクリックします。
この「行/列の入れ替え」貼り付けは、数式だけ、値だけでも貼り付けることができます。コピーしたい対象セルを選択し、貼り付けたいセルで右クリックをします。「形式を選択して貼り付け」をクリックし、ダイアログを表示し、貼り付けたい対象を選んでOKボタンをクリックします。

小技その③ 一括置換
あっちもこっちもそっちもどれもぜーんぶ、ワンクリックで修正したい
エクセル資料を使いこなしているミナサマであれば、資料を作成するまえに、効率化を図っているかと思います。


素晴らしいです。Excel、使いこなしてますね!って、あれ?数式内のセルの場所、なんかずれてませんか? 今月のデータだけ1行増えていたり、2~3列ほど追加で項目を増やしていたりすると、数式自体は大きく修正する必要がないのに無駄な手間がかかりますよね。そんなときは、「一括置換」が便利です。
「検索」と「置換」
「ホームタブ > 編集」のなかに「検索と選択」があります。もしかしたら「検索」はよく利用されているのではないでしょうか。ショートカットキーですと、「Ctrl + F 」が検索、「Ctrl + R」が置換になります。(事務担当スタッフである私はCtrl + Fを押して、「置換」タブをクリックすることが多いです)


使い方として、数式内のセル範囲が絶対参照になっているけれど、範囲を増やしたいときを例に挙げて説明します。一括で置換しないときは、セルを選択して数式バーをクリックして、該当箇所を修正して、それからオートフィルをして。さらにほかのセルがあればそれも・・・
う~ん・・・
一括で置換する場合は、以下のようにします。
- 数式内のセル範囲を確認し、数式全体ごと、コピー。
- ショートカットキーCtrl + Fで「検索と置換」ダイアログを表示します。
- 検索する文字列に、先ほどコピーした数式全体を貼り付け。セル範囲を指定している箇所以外を削除します。
- 「置換後の文字列」に適切なセル範囲を入力します。
- 「すべて置換」ボタンを押します。

数式の不要箇所を削除することもできる
ほかのファイルから数式ごとコピーすると、数式内にファイルへのリンクが記入されてしまいますよね。「置換後の文字列」に空欄、もしくはファイル名を除いた数式を記入すれば、不要な外部リンクを削除できます。

ミス防止!他ブックのリンクって確認してますか?
前項で少し触れましたが、他ファイルへのリンクって確認していますか?
作成者が、他のブックから数式ごとまるっとコピーしていると、エクセルさんは親切なので「他のブックにある値なんだな!」と理解して、外部リンクを作成します。エクセル資料を開く際に「外部ソースへのリンクが・・・」と聞いてきますよね。あいつです。

作成時には気づきにくいのがこれまた厄介なのですが、会社のファイルサーバーへのパスだったりすると、外出先で作業できなかったりします。客先で資料を展開しようとして、ハッとなることありませんか?・・いや、ミナサマはそんな経験ないですよね。。ミス防止として、複数のエクセルブックを開きながらコピー&ペースト作業を繰り返した場合は、Excelファイルを閉じる前に、外部リンクがないかチェックすることを是非おすすめします。
① データタブ > 「クエリと接続」内の「リンクの編集」アイコンをクリックします。

② 「リンクの編集」ダイアログにて、どのファイルを参照しているか確認します。
過去のデータで、頻繁に編集されないようなエクセルファイルであれば、「リンクの解除」ボタンを押して、解除してしまいましょう。(本当に解除してもよいかは、資料ごとに都度確認してください)

エクセル資料内、どのセルが外部ファイルをリンクしているのか調べたいときは、以下の方法が便利です。
① 「検索と置換」ダイアログを表示し(Ctrl + F)、検索する文字列に半角カッコ「[」を入力します。検索場所を「ブック」にして、「すべて検索」ボタンを押します。

② 検索結果より、どのセルが外部ファイルをリンクしているか確認することができます。

いかがでしたか?
「繰り返す」「積み重ねる」資料作りは「大事」だし「手を抜けない」仕事
大きなことに気づくための、コツコツ資料作成は大事だし手を抜けない仕事です。ですが、エクセルで作成した資料はそのツールの特性上、多くの人が流用して、部分部分で活用できる便利さがあります。効率よく資料をまとめてしまえば、その数字の意味をじっくり見る時間が作ることができます。その「じっくり見て考える」こと。これがなかなか忙しくて難しい仕事だということは、アナタも知っているはずです。
欲しいのは積み重ねた結果。作業自体は効率化を図りましょう!
毎日毎週毎月の集計資料や、意味のある数字を見るための資料作成。繰り返して積み重ねて、重みと意味を持ったデータは作成している現場に近いメンバーだからこそ、気が付くことも多いはずです。じっくり見て考えることができるように、作業はいろいろな小技を駆使して、効率よく終わらせましょう。

