【続!】Excelで業務を効率化しよう:年次有給休暇日数の計算①

目次

前回勉強内容の「解答例」を公開

普段の業務内容を題材にExcelの勉強・学習を進められるようなコンテンツの提供を目的として、ウェブサイト上にメニューを設置し、第1弾コンテンツ公開となった前回記事「Excelを使って翌年の年次有給休暇を計算する」

クライアントご担当者(当社が、従業員皆さんの継続的なITスキル・トレーニングを担当させていただいている企業のご担当者です。)との雑談の中で、このことをお伝えしたところ、さっそく目を通して、活用していただいたようで、次のような宿題?(笑)が出されました。

【宿題
何人かのメンバーで、前回記事の中で取り扱ったテーマに沿って勉強・作業を進めてみた。「勉強テーマ その2:Excelをカスタマイズ(追加・改善)してみる」の内容も実行してみたものの、完成イメージの答え合わせができず、「これでいいのかな?」とスッキリしない状態になってしまっている。
実際にカスタマイズをした後のExcelブックを提供して欲しい。

なるほど、確かに。せっかく時間を確保して取り組んだし、自分の作業内業が正しい流れ・内容にできていたかを確認したいというのは理解・納得できます。このような背景・経緯があり、今回は、解答例としてのExcelブックを公開いたします。

当社のお問合せフォームにて、もしリクエストがあれば受け付けられるよう、お問い合わせ内容の種別として「お役立ち情報コンテンツへのリクエスト」という選択肢を用意しました。もし、「こういうこと知りたい」「もう少し詳しく知りたい」等があれば、気軽にご連絡ください。Excelブックの制作担当者とも相談しながら、できる限り多くご対応していければと考えています。

勉強テーマ その3:カスタマイズしたExcelブックを確認してみる

年次有給休暇を計算するためのExcelブックが既に存在している、という業務シーンを想定し、それをカスタマイズして利用する事例として、前回記事で、次の4点ほど採り上げました。

それぞれについて、カスタマイズ実施後のExcelブックを公開します。同様に作成できたことを確認する、または、解答例として挙げるものより更に良いものを作る等、ご自身の狙いや目的に合った方法で活用ください。

  • カスタマイズ事例
    • 事例1:在籍21年以上の社員への対応
    • 事例2:社員数30人超への対応
    • 事例3:社員の氏名変更時の対応
    • 事例4:特定条件社員の抽出方法

事例1:在籍21年以上の社員への対応

事例2:社員数30人超への対応

事例3:社員の氏名変更時の対応

事例4:特定条件社員の抽出方法

読み物:年次有給休暇制度は実にさまざま

上記、解答例は参照いただけましたか?

会社等の労務管理を担われている詳しい方が見るとすぐに分かる通り、今回、ご提供している勉強用Excelブックで題材としているのは、かなりシンプルな年次有給休暇制度です。通常は、自身が入社する会社の制度として説明を受けることはあっても、世の中の会社はどのような制度なのだろう?というのは、社会保険労務士さんなどの専門職の方以外には、馴染みがわきづらいですよね。

そこで、今回は、法令上は「こういう年次有給休暇制度もある」(もちろん、利用できるかどうかは、所属する会社の制度次第です)というのをいくつかご紹介し、もし、それをExcelブックで処理するとしたらどのような中身になるのだろう?と、頭の中で設計図を思い描いていただくと面白いかもしれません。

Excelの勉強という題材としてご紹介するものであり、法令などに沿った正確な情報を提供する趣旨の内容ではありません。正確・詳細な情報が必要な場合は、所属されている組織の担当者の方や社会保険労務士さんなどの専門職の方にご確認ください。

トピック1:年次有給休暇の権利の発生

年次有給休暇の権利の発生要件として、次の2点があります。意外と、出勤率の要件を知らない人も多い(実際、有給休暇以外に2割に相当する日数を休むという状況は稀だと思います)のでは?

  • 年次有給休暇の権利の発生
    • 6箇月継続勤務し、全労働日の8割以上出勤
    • 以降は、6箇月経過日から1年ごとに区分し、全労働日の8割以上出勤

出勤率の計算は、「出勤日数÷全労働日数」なので、Excelの割り算で簡単に実現できそう。ただ、休暇の中には、出勤したものとみなされる日」(例えば、育児休業や介護休業の取得した日、年次有給休暇を取得した日など)があるので、理由によって厳密にExcelブックで処理するのであれば、数式IFを使用して場合分けする必要がありそうですよ。

なお、出勤率が8割を下回ったために翌年は新たな年次有給休暇日数が付与されないことになったとしても、更にその翌年の付与日数が最初からやり直しになる訳ではありません。その翌年は新たな日数を付与されなかったとしても、翌年に出勤率を満たせば、翌々年は勤続勤務年数時応じた、14日、16日、…のような日数が付与されることになります。

トピック2:年次有給休暇の付与単位

年次有給休暇の付与単位は、原則として「日」単位ですが、使用者が同意(制度として認められている場合など)する場合は、「半日」単位の取得も問題無しとされています。実際、私の周りでも、ほとんどの会社が「半日単位の取得OK」としているようです。

今回提供のExcelブックでは「半日」での取得は想定済みで、これは「半日=0.5日」と扱えば良いだけで、Excelブック上の処理でも簡単に実現できるためです。

更には、労使協定など所定の手続きは必要となりますが、「時間」単位での取得を可能とする制度も認められています。

  • 年次有給休暇の時間単位の取得
    • 1年に5日分に限り、「時間」単位の付与が可能
    • 時間単位の取得か、日単位の取得かは、労働者の自由

この対応を今回のExcelブックに盛り込む(カスタマイズする)ことは、難易度・複雑度ともに高そうです。

仮に、所定労働時間が1日8時間であれば、「1時間=0.125日」のように「日」に換算することで、日単位での計算と同様にいけそうですが(ただし、数式IFで「5日分以内」を表現する必要はありそうです)、所定労働時間が1日7.5時間だったりすると、1時間未満の端数をどうするかなど細かな処理が必要になりそうです。実務が複雑になれば、その処理方法(Excelでの計算方法や数式の使い方など)が複雑になることは仕方のないところではあります。

トピック3:年次有給休暇の比例付与

パートタイム労働者等、通常の労働者より所定労働日数・時間数が少ない人に対しても、一定の条件を満たせば、所定労働日数に応じて年次有給休暇を付与する制度です。

  • 年次有給休暇の比例付与の要件
    • 週の所定労働時間が30時間未満(30時間以上の場合は、通常通り付与です)
    • かつ、次のいずれかに該当
      • 週の所定労働日数が4日以下
      • 周以外の期間で所定労働日数が定められている場合は、年間所定労働日数が216日以下

上記を満たす場合の、付与日数は次の計算式で求めます。

対象者の付与日数=通常の労働者の付与日数×(対象者の所定労働日数÷5.2日)
※. 1日未満の場合は切り捨て

上記の計算式をExcelブックで表現すれば良いだけであれば、四則演算(掛け算、割り算)と切り捨て処理のための数式ROUNDDOWNで実現できますが、この場合は、年次有給休暇の付与日数テーブル(提供したExcelブックのシート「付与日数」に該当する情報)を、「所定労働日数=4日の従業員用」 「所定労働日数=3日の従業員用」 のように、それぞれ設ける方が解決方法としては良さそうです。

前回記事で、提供・紹介したExcelブックを、更なる応用的な業務用途にどうカスタマイズ・利用できるのだろう?と考えていただけるような、応用題材として3点ほど制度を紹介してみました。

効率化・省力化のために「自動化を」というところから、何となく「ITエンジニアの人に制作・開発をお願いしなきゃ」となりがちですが、「ちょっとだけ」複雑な処理であれば、Excelなどでサッとできてしまうことも多くあります。

「Excelをガッツリ使うのは学生のとき以来」、そんな方でも大丈夫。
是非、いろいろチャレンジしてみてください。

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